未熟児養育医療とは? どんなメリットがあるの?

 生まれてすぐの赤ちゃんが入院することになったとき、国や自治体から補助を受けることができる場合があります。基本的には主治医から指示があったものに申請を出していくことになると思います。しかし、主治医から提案がない場合も考えられます。また、診断書や所得証明など有料の書類を揃えて役所まで申請に行く必要がありますので、そこまでして申請が必要なのか? と疑問を感じることもあると思います(私がそうでした)。 というのも、自治体によりますが、乳幼児の医療費負担はゼロもしくは非常に安価になることが多いからです。それでも、私は「養育医療」を申請し、給付いただいています。その理由と他の制度との違いを書かせていただきますね。

未熟児養育医療とは?

 「未熟児」と書かれている通り、この助成は「未熟児」が対象となります。「未熟児」は母子保健法第六条六項で下記のように定義されています。

 ”この法律において「未熟児」とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳児であつて、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう。”(母子保健法より引用)

 要するに、本来であれば生まれた時に備わっている機能が不十分な状態で生まれてきてしまった子、ですね。私は、「未熟児」は37週以前に2000 g以下で生まれてきた子のことだと思っていたのですが、実際は、もう少し対象範囲が広いようです。

 そして、肝心の未熟児養育医療については、 「 未熟児養育事業の実施について 」にて厚生労働省によって規定されています。ざっくりいうと「身体の機能の発達が十分でない乳児が、指定の医療機関で入院医療を受けた場合に医療費を助成します」という制度ですね。

 ちなみに、医療補助の分担割合は、国 1/2、都道府県 1/4、市町村 1/4となっています。元々国が行っていた事業を一部自治体に権限移譲している形のようです。そのためか、どの市町村でもほぼ同じ条件で受給できます。

未熟児養育医療の対象になるのは?

 養育医療の対象となるのは、下記の症状があり、指定医療機関で入院している場合です。

  〇出生時の体重が2000 g以下の場合
 〇痙攣(けいれん)がある場合や、運動に異常がある場合
 〇低体温(34℃以下)の場合
 〇呼吸器や循環器系に異常がある場合
 〇消化器系に異常がある場合
 〇強い黄疸、もしくは数時間以内に黄疸が発生した場合

 そして、受けられるのは基本的に1歳未満の入院している乳児です。

未熟児養育医療を申請するためにはどうすればいいか?

 申請するための用紙を役所もしくはインターネットより入手する必要があります。主治医に書いてもらう必要がある書類もありますので、早めの準備が必要です。養育医療を申請する時は出生時に入院していることが前提となりますので、出生届を出す際にもらうのが手っ取り早いと思います。

 申請には健康保険証(資格証明書で代用可能な場合もあります)や保護者のマイナンバーが必要となります。

 しかし、未熟児養育医療は所得制限がありますので、受給できない可能性もあります。ご注意ください。

未熟児養育医療を受給するメリットは?

 自治体にもよりますが、乳幼児の医療費が無償もしくは安価になる(以後、小児医療制度)、という方は多いのではないでしょうか。その場合、わざわざ診断書料や課税証明書などの書類発行手数料をかけてまで申請した方がいいのか、疑問に思われるかもしれません。

 しかも、未熟児養育医療は所得に応じて自己負担があります。病院が養育医療と小児医療制度の両方に対応してくれる場合は問題ありません。それぞれの受給者証を提示すればOKです。しかし、対応できない場合は未熟児養育医療分の自己負担金をいったん支払い、後日役所に申請して小児医療制度分の返還してもらう、という手続きが必要になります。……これは、非常に面倒です。

 それでも、受給対象であれば受給した方が良い理由は下記2つです。

  〇ミルク代も負担してもらえる
 〇補助の半分は国庫負担

 ミルク代についてですが、例えば、娘の入院している病院では、ミルク代が1260円/日です。ミルク代は母乳であればかかりませんが、ミルクの場合は、例え飲んでいなくても、作っただけで1日分の代金が発生します。小児医療制度ではミルク代は自己負担となりますので、非常にありがたいですね。(おむつ代は自己負担ですが……)

 もうひとつの理由についてですが、小児医療制度を利用した場合は、本来の自己負担分(3割)を市町村の自治体が100%負担します。しかし、未熟児養育医療の場合は、国が50%、都道府県が25%、市町村が25%となります。手術や入院費でとかく高額になりがちですので、市町村の税収を圧迫しないようになっているんですね(ふるさと納税などで再分配しているくらいですから……田舎の方は切実な問題だと思われます)。幼稚園・保育園無償化も一部自治体負担となる、という話も出ていますので、少しでも自治体の負担を減らすのは大事かもしれません。